■ 半蔵門:国立劇場敷地内の駿河桜 高輪のさくらタワーも、青山墓地もいいけど、ここの桜の手入れの良さ、格好の良さに惹かれる。 '72年に国立劇場を退職した職員の人が植樹した木だそうで、雌しべが無毛で駿河桜と同定された。 植樹当時、幹の太さは親指ほど。それを丹精込めて育てたという。 近くで見るとまるでつつじのようにこんもりとしていて、花がふくよかである。 桜の花は単体で美しくても周囲のセッティングがよくなければ見栄えはしない。セッティングがよくても枝ぶりの均整がとれていないと感動が少ない。ここの桜はそういう意味で優等生だ。 | ||
=== ■ 半蔵門:国立劇場敷地内の神代曙 神代植物公園で栽培されているエドヒガンと他種との雑種らしい。名前は神代曙。 国立劇場に花見に行こうと思い立ったのは、この桜ゆえだった。千鳥が渕を英国大使館を過ぎて霞ヶ関方面に歩いていたら、ひときわ美しい桜が見え、誘われていってみた。 なにがすばらしいかといって、色のグラデーション。白から薄いピンクの色の変化が1本の木で味わえる。 軽めの花びらが風にそよそよなびく様は、優美でエレガント。 | ||
=== ■ 竹橋:駅から国立工芸館を目指して歩いた右手 今まで六義園のシダレがすごいと思っていた。でもこちらの方が上手だ。 なにしろでっかいシダレ桜が太っ腹に5本並んでいる。時期ズレで咲くので5本いっぺんではないものの、それでもこの2本だけでもすごいボリューム。しかも入園料無料?! 今年の冬、竹橋の近代美術館に行ったとき、この木に実は目をつけていた。「このシダレ桜の木、咲いたら スゴイことになりそう。春になったら再び訪れよう」と。 期待以上の出来栄えだった。 | ||
=== ■ 千鳥ヶ淵公園 の更紗モクレン 千鳥が淵のメインの見せ場が終わり、英国大使館のほうへ行こうとすると、角にある千鳥ヶ淵公園 の更紗モクレンがすばらしい。 桜よりも質感があり、色もかわいらしいピンク。 花見のついでにふとここに立ち寄ってモクレンを鑑賞する人も多数いたけれど、それでも満開の日の千鳥ヶ淵の喧騒はここまでは及ばない。 桜とは違った味わいを堪能できて、ちょっと得した気分。
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=== ■ 北の丸公園側から千鳥ヶ淵を眺める お気に入りの千鳥ヶ淵散策は、まず北の丸公園を基点にする。そこから工芸館の脇をかすめて北の丸公園に突入。そこからお堀に沿って武道館を目指す。
お堀の向こうには千鳥ヶ淵が広がっている。つまりいつも千鳥ヶ淵から見ている桜を裏側から見ることになる。
朝早いと太陽の光を反射した水面がキラキラ星のように光り、水の色合いも緑が混じって印象派の絵のようになる。ここから武道館を目指し、いざ千鳥ヶ淵へ。 === | |
■ いざ千鳥ヶ淵 人も多いし、千鳥ヶ淵は何度も行っているし、なんて思っていたけど、やっぱり満開のこの時期の千鳥ヶ淵は ”至宝”だと思ってしまった。 1本ずつ美しくて優美なのもいい。でもこの人海戦術的な夥しい数の桜の木は、見る者を圧倒する。 桜の時期の千鳥ヶ淵の混雑は尋常じゃない。朝早く行ってもだめだ。九段下の駅から延々と人の列が続いている。 ならば逆側から千鳥ヶ淵に突入しようか、という気になるが、眺め的にはこれはNG。英国大使館側から九段下を目指して千鳥ヶ淵に行くと、左側通行にさせられてしまうのだ。 つまり、お堀そばで桜が鑑賞できない。遠くから眺めることになる。千鳥ヶ淵を見物するなら、混雑覚悟で九段下から攻めるしかない。 それにしてもお堀端を散策していると、いわくつきの イタリア文化会館の赤(い建物)がやっぱり浮いている。(この一枚も、千鳥ヶ淵を北の丸公園から見たもの) 桜のご馳走にありついて、再び竹橋に戻ってきた。(左の写真) このあたりはどこをとっても美しい。 このあと皇居内の桜を見て、次に六本木を目指す。展望台の「空中花見」の言葉に誘われて高いところに上ってきたけど、まあ行く必要は全くなかった(高いところから見た桜の写真は↓。これでも一番マシなスポットだ。展望台が高すぎて、桜が桜としての清輝を失っている)。 '08年4月29〜30日(土・日)。朝から駆けずり回った花見見物は これにて終了。
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